
紋章っていくつかの要素で構成されているみたいですが、そのうちのひとつに色があります。戦場で生まれた紋章はパッとみて分かりやすい必要があるので、色は重要な要素と言えそうですね。
紋章に使われる色にはどんなものがあるのでしょうか??
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紋章の盾の色について
西洋紋章の色はティンクチャーと呼ばれます。
盾の色には色々な種類がある

盾の色の種類
紋章の盾の色は大きく分けて金属色と原色に分かれます。金属色は「金色」と「銀色」。原色は基本的には「赤」「青」「黒」「緑」「紫」などです。比較的にわかりやすい色が使われる場合が多いみたいですね。
その他には毛皮模様があって、これは主に王侯貴族の紋章に使われる場合が多いみたいです。毛皮模様は「アーミン」「リス」の2種類です。
単色でも表現できる

盾の色を単色で表現した場合
上の図は紋章の色をモノクロで表現する際の図案です。金色だったらドット柄、赤色だったら縦線みたいに単色でも色の識別ができるようになっています。
こうすることで一色で紋章を表記しなければならない場合でも、紋章が何色なのかがわかるようにしているわけですね。システマチックですね。
紋章の色の種類
紋章は色によってどのようなイメージを持っているかを表しています。以下にそれぞれの色が持つ属性を表記していきます。
金属色
金属色には「金」と「銀」があります。金属色は力強くて高貴なイメージを表現したい時に使う色です。
金/Or(オー)

金色
金色は男性的で力強いイメージを表現したい時に使う色です。
銀/Argent(アージェント)

銀色
銀は女性的で煌びやかなイメージを表現したい時に使います。
原色
戦場で敵味方の区別をするために作られた紋章の色はわかりやすい原色で表現することが多かったそうです。主に使われた色は以下です。
赤/Gules(ギュールズ)

赤色
赤は最も人の目を引く色です。温かさや威厳を象徴するのと同時に危険や怒りのイメージもある色です。
青/Azure(アジュール)

青色
青は赤とは対照的に比較的穏やかで平和なイメージの色です。波風が立たない海のイメージ、また中世フランスはマリア信仰が根強く、聖母マリアのシンボル色として百合のシンボルと一緒に使われた色です。
黒/Sable(シーブル)

黒色
黒は鉄や岩などの強いイメージであると同時に夜や死などのネガティブなイメージも含む色です。
緑/Vert(ベアー)

緑色
緑は自然や生命などを表す色です。またドラゴンやゴブリンなどの不気味な怪物などのイメージを表現するという一面もあるそうです。
紫/Purpure(ピューピル)

紫色
紫はあまり強いイメージではなく、どちらかというと中立的・バランスなどのイメージを表す色です。
毛皮模様
紋章には金属色と原色の他に毛皮の模様があります。この柄は王侯・貴族がよく使う柄で庶民の紋章にはあまり使われなかったそうです。
オコジョ・白テン/Ermine(アーミン)

アーミン柄
アーミン柄はオコジョやテンといった動物の尻尾を壁にピンで止めているさまをシンボル化したものらしいです。オコジョやテンの毛皮は貴重なものだったらしく、当時の貴族たちは白テンの毛皮を繋ぎ合わせて洋服などを作ったりしていて、王侯貴族のシンボル的なイメージみたいです。
リス/Vair(ヴェア)

リス柄
リスの毛皮も同じく貴重なものだったそうで、こちらも王侯貴族が好んで使う権威的な柄です。リスは背中側とお腹側で色が異なるので、それをつなぎ合わせて服を作る時のイメージが単純化されてこのような図案になったみたいですね。