
前回までに作成した下絵デッサンと色のテストをした紙を見比べながらいよいよ本番を描いていきます。
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透明水彩でデッサンと色テストを参考にして本番を描いていく

前回までに作成したデッサンと色テスト
使う絵の具はホルベインの透明水彩絵の具です。ホルベインは値段も手頃で、グレード的には「初心者向け」といったイメージですね。ちなみに絵の具のグレードをメーカーごとに比べると・・
↑のようなイメージな気がしています。

ホルベインの透明水彩絵の具
影の付け方やコントラストはデッサンを参考に、色彩は色テストを参考にしながら描いていきます。
ファーストウォッシュ(1回目の塗り)

1回目の塗り 少し明るめを意識して塗る
1回目の塗りの事をファーストウォッシュと言います。2回目はセカンドウォッシュ。3回目以降からはサードウォッシュ、とかあまり聞かないですが・・・(言う人は言うんでしょうか??)
とにかくまず1回目の塗りを行います。この時に実物よりも少し明るめの色を置くのがセオリーです。透明水彩は文字通り透明なので何層塗っても前回塗ったしたの色が透けて見えています。なので塗り重ねれば塗り重なるほど色が濃くなって暗くなっていくので、最初は少し明るめがちょうど良いんですね。
今回の絵に関しては、少し再度落とし目で描く予定なので1回目の塗りで極端に明るい色は使用しませんでした。
セカンドウォッシュ(2回目の塗り)→重ね塗り

乾かしてからさらに重ね塗る
ファーストウォッシュが終わったら絵の具をドライヤーで良く乾かしてから2回目の塗り(セカンドウォッシュ)を行います。その後は塗った絵の具を乾かす→上から重ね塗る、の繰り返しです。
先に濃い色の花から描く

濃い色のスイートピーから描いていく
ちなみに今回の絵は絵の中心にある主役のアネモネの花が薄い色味なので、先に脇役のスイートピーから塗っていっています。主役の花の色が薄い、もしくは白に近いような色味の時は、まずはその周りから塗っていき濃さを決めてから塗り始めた方が上手くいく場合が多いと思います。
花の細部を描く

ドライブラシ気味に細部を描いていく
絵の具を何層か塗り重ねて程よい感じになったら、細い筆で細部を表現していきます。水分量を少なくしてドライブラシ気味にして線などで表現していきます。
主役の花を描いていく

主役のアネモネを塗る
脇役のスイートピーがある程度描き上がったら、主役のアネモネを描いていきます。
今回描くアネモネは全体的に花びらの色が薄く、中心部分のみ濃いのが特徴です。あまり何回も塗って花びらが濃くなりすぎないように、下絵のデッサンでコントラストなどを確認しながら描いていきます。

シュミンケのマスキングインク

絵の具を塗りたくない部分を、あらかじめマスキングしておく
ちなみに花糸(かし)と呼ばれるおしべの一部はあらかじめマスキング液でマスキングしています。

アネモネをさらに塗っていく

ラバークリーナーでマスキングを剥がす
中心の濃い部分をある程度塗れたら、ラバークリーナーなどを使ってマスキングを剥がします。
1番薄い色の花を描いていく

1番薄い花を最後に描く
主役のアネモネがある程度描けてきたら、最後に1番薄い色のアネモネ、ほとんど白に近い色の花を描いていきます。

濃い部分を先に描くことで薄い部分の濃さを決めやすい
透明水彩で絵を塗っていく時は、最も濃い部分→最も薄い部分の順に塗っていった方が良いと思います。なので1番薄そうなこの花を最後にしてみました。

全部を塗りすぎないように、紙の白色を残しながら描く
こういうほとんど白に近いような花は、あまり全体を塗りすぎないように、比較的濃い中心部や、周りの輪郭のみ強い色を塗って、あとは紙の白色を上手く残しておいた方がグッドです。
完成

完成
というわけで完成です。
あともう少しだけコントラストを微調整しても良さそうですが、濃くしたければいつでもできるので、いったんはここまでにしておこうかと思います。
全5回にわたってブーケ絵を描く手順の説明をしてきました。一見複雑に見える花の集合も、作業をひとつずつ分割して処理していく事で描く難易度を下げて説明してみたつもりです。
僕も未だ勉強中ですが、透明水彩で素敵な花の絵を描けるようになりたいものですね。よければご参考に。それでは〜。