
秋の風物っていろいろありますけど、金木犀もその一つですね。
秋本番っていうよりかは秋の入り口って感じですかね。金木犀の香りがすると、ああもうすぐ秋だな〜と感じます。

金木犀が咲き始めた
金木犀って結構大きい木ですよね。
花が咲く時期以外はあまり意識していなくて、数ある街路樹のひとつとして街に溶け込んでます。

金木犀の花
花が咲いた瞬間、景色の主役になりえるから面白いですね。鮮やかなオレンジ色の小さな花と香りが特徴的な金木犀。
今回はこの金木犀のボタニカルアートを描いて行こうと思います。
ボタニカルアートってどんなもの?わかりやすく解説
ボタニカルアートで描いておけば、半永久的に植物の美しさを保つことができるので便利です。
それではいってみましょう。
contents
デッサン・転写
まずは形をとろう
まずはいきなり本番紙に書くのではなく、なんでも良いので紙に金木犀の形を鉛筆やシャープペンで描いて行きます。
ボタニカルアートで形をとる過程のことをデッサンっていうんですよね。一般的なデッサンは鉛筆で全体の塗りまで行いますが、ボタニカルアートだと形をとるまでがデッサンみたいです。
トレーシングペーパーで本番紙に転写する

トレーシングペーパーで本番紙に転写する
で、形が描けたらトレーシングペーパーを使って本番紙に転写して行きます。金木犀の形を描いた紙の上にトレーシングペーパーを重ねて上から鉛筆でなぞり、裏返しにして転写したい部分を鉛筆やチャコペンで塗っておきます。チャコペンはあとで消しゴムで消せるので転写する時に便利です。
そのトレーシングペーパを本番紙に重ねて、線を上からなぞれば転写完了です。
綺麗に線がくっきり転写できれば良いですが、ただ転写しただけだと大体は線がかすれてよく見えない事も多いので、再度鉛筆やシャープペンでちゃんとした線を書き足して行きます。
ちなみに今回は花が細かいのでこの時点では、花はまだ描いてないです。
花の部分を塗る
ホルベインの透明水彩絵の具で花をひとつずつ描いていく
転写が済んだら色を塗って行きます。使う絵の具は透明水彩です、僕はいつもホルベインの絵の具を使っています。
ホルベインは絵の具のグレードとしてはあまり高くないですが、値段が安くて使いやすいのでオススメですね。

ひとつずつゆっくり描いていく
花の描き方は人によって色んな方法があるかと思いますが、今回は花をひとつずつ描いて行くことにします。
花全体の形をとってから全体を塗っていっても良いんですが、細かい花の場合はあまり最初にこれだけの数の花を描く!と決めるんじゃなくて、ひとつずつ描き足していって、花のボリュームがちょうど良いところで描き足すのをやめる、という描き方の方が良いような気がしますね。
細かい花は点や線なども使って陰影を表現する

最初に黄色を塗ってその上に赤を塗る
ちなみに最初からオレンジ色を作って塗っても良いんですが、下に塗った色が透ける透明水彩の特製を生かしてまずは黄色を塗ってから乾かして、その上に赤を塗ってオレンジを表現しています。
濃くしたい部分はさらに上に赤色を塗っていく感じで描いています。ちなみに黄色はレモンイエロー、赤色はバーミリオンヒュー、という絵の具を使いました。
花が細かいので塗りだけでなくて点描で陰影を表現しています。あんまり塗る面積が小さいと、塗りだけだと筆が上手く動かせなくて汚くなってしまったりするんですよね。なので点描や線も上手く使って花の立体感を表現して行きます。
葉の部分を塗る
まずは葉の全体をグリーンで塗る
花部分が完成したので、葉っぱを塗って行きます。

葉を塗っていく
まず全体をオリーブグリーンで薄く塗りました。
この上にさらに何層か絵の具を塗って行きます。ボタニカルアートって基本的には透明水彩を塗っては乾かし塗っては乾かし、というのを繰り返して行きます。何層か塗ることで色も濃くなって行きます。
主脈を中心に陰影をつけていく

主脈を中心に陰影をつけていく
葉っぱの真ん中を走る主脈を中心に、葉っぱに陰影をつけて行きます。基本的には左上から光が当たるように頭の中でライティングして影をつけて行きます。

葉の大まかな雰囲気が描けた
主脈を中心に全体の葉っぱに陰影がつきました。
側脈を表現していく

さらに側脈の陰影をつけていく
主脈を中心に陰影をつけ終わったら、同じように主脈から横に伸びる側脈の陰影をつけて行きます。
葉っぱは何回か塗ったので、最初に鉛筆で描いた側脈の線が見えにくくなってたりするので、再度鉛筆もしくはシャープペンで線を薄くひきました。
鉛筆の線を基準にして影をつけて行きます。

全ての葉の側脈を表現していく
影をつけ終わったら葉のアウトラインや側脈の線を少し濃いめの絵の具で描いて行きます。花と同じように塗りだけではなく線なんかも使ってさらに陰影を表現します。
枝の部分を塗る

枝を塗っていく
最後に枝の部分を塗ります。
植物の枝って所々盛り上がっていたり凹んでたりするので、そこらへんも描き込んで行きます。
完成

金木犀の絵が完成
金木犀のボタニカルアートが完成しました。

植物をずっと楽しめるボタニカルアート
冒頭でも言いましたが、ボタニカルアートって描くのは少し手間と時間がかかるんですけど、一度描いてしまえば、植物の一番良い状態をずっと楽しめるのが醍醐味だと思います。
今回金木犀の絵を描いたので、来年の秋の手前頃に絵を額に入れて飾ればなんとなく季節の移ろいを感じられて良さそうですね。それでは〜